知人の紹介で屋比久さんとお会いしました。草木染めに情熱を持った女性です。仕事と人生に対する考えを語っていただきました。
草木染めアーティスト 屋比久 ちひろ(やびく ちひろ)1985年5月26日生まれ。沖縄県出身、東京都在住。高校卒業後、祖母の元で草木染めの修行をする。独自のスタイルで表現し、各地で個展やイベント、草木染め体験教室を行いながら、自然の温かさや繊細さ、力強さをたくさんの人達に伝える活動をしている。個展・イベントなどにも積極的に出店して多くの人に草木染めを広めている。人生のモットーは「自然体で暮らす」
目次
草木染めアーティストを目指したきっかけ
おばあちゃんが草木染めを一代で終わらせるといったことが直接のきっかけです。
長年、おばあちゃんの草木染めを見てきました。草木染めは1日、2日で完成する作品ではありません。だからこそ「一代で終わらすのはもったいない!習いたい!」と思いました。20歳から祖母の元、住み込みで5年間修行しました。その中で徐々に草木染めをアートで表現したい。色々なものに変えて表現したいと思えるようになりました。26歳の時に沖縄だけでなく、もっと多くの人に草木染めを広めたいと思い、上京しました。
草木染めとは、植物の根・皮・葉・実などから採った色素を用いて染めることを指します。屋比久さんは、アクセサリーなどを筆頭に様々な作品を作っています。
祖母の元、沖縄で修行したときに学んだ大切なこと
修行すると決めたはいいものの、とても困難な日々が待っていました。生地をアイロンがけすることから修行が始まりました。祖母は『染料は生きているから、心が座っていないと扱えない。』と言い、実際の染料を触ることができない日々が続きました。しかし、アイロンがけをしていくうちに生地の種類が理解できるようになってきて約1年後、染料を触ることができました。その後は「染め」の勉強をしましたね。
一番大変だったことは、意見がぶつかることです。いくら祖母と言えど、価値観も違う一人ひとりの人間です。ある時、染め物の余り布をもらいました。その布でコサージュを初めて作りました。ボンドを使って作ったらめっちゃ怒られました(笑)『なんでこんな良い生地をボンドで作るのか。』と……その当時、私は縫い物ができなかったんです。縫い物ができないと生地が活きないと痛感し、刺繍の練習を泣きながらやった記憶があります。普段、やり慣れない細かい刺繍をやるのはとても大変でした。しかし、「マスターしないと次の段階に行けないと」自身を奮い立たせてがんばりました。
祖母の元で修行した5年間はたくさん失敗もしたし、色々な学びがありました。精神修行のような感じですね(笑)草木染めの技術と共に精神修行としても良いきっかけになったと思っています。5年間の修行が終わって上京した後も祖母がくれた言葉「生きた作品を作れたら本物だ」この言葉を胸にいつも作品を作っています。
[adsense]
上京後も草木染めアーティストの技術を磨く
多くの人に草木染めを広めたいという想いの他に「自分の実力でどこまでできるかを確かめたい」という想いもありました。私自身、美術の学校やしっかりとした教育を受けていません。だからこそ、自分の可能性がどこまであるのかを知りたいと思いました。
仕事のことは常に考えています。仕事という感覚がなく、一日中やっていることもあります。絵を書くときも作品を作るときも事前にイメージしないで生地とか物を触って形にしていきます。独学でやっているため、人前に出して良いのかという不安は常にありました。しかし、プロに作品を見せる機会があり『あなたは世界観ができているから学校とか行く必要ない』と言ってもらい自信がつきました。世の中には天才が多いです。人と比べないで自分自身を表現していこうと決意した瞬間です。自分のリズムを大事にしながら作品作りをしています。
草木染めアーティストとしての活動内容
個展とイベントに積極的に参加しています。私は、草木染めの職人というよりアートとして自然の色の変化や生きた色の変化を枠に囚われずに表現しています。クリエイターの方と音楽関係のイベントなどにも出店しますが、年代問わず草木染めをきっかけにご縁ができることがとても嬉しいです。作品を通して、自分のありのままを出せるようになっていると思います。若い人に伝統工芸や自然の色を見せたいという想いがきっかけでアクセサリーなども作り始めました。今年は洋服なども展開していきたいと思っています。
今後の展望
世界で活躍する草木染めアーティストになりたいです。コンテストの招待も来ているので、世界に飛び出しても良いと思っています。特に海外の人の反応が見たいです。日本人の感覚と海外の人の感覚は多分違うと思います。今年は日本と沖縄を意識した作品創りをしっかりとやり、自然体でできる可能性を無限に出して内面と外見が輝く女性になっていきます。
よくおばあちゃんは『本物を見抜く力を養いなさい。』と言ってくれます。また、おばあちゃんは『ちひろを誇りに思う』と言ってくれたことがあります。今まで何度もアーティスト活動を諦めようと思いましたが、そのたびに助け人が現れました。おばあちゃんの想いや周りのみんなのために、草木染めアーティストを続けていき、多くの人に表現していきたいと思います。
屋比久 ちひろさんの紹介
屋比久さんは、祖母から引き継いだ草木染めを、独自のスタイルで表現し、各地で個展やイベント、草木染め体験教室を行いながら、自然の温かさや繊細さ、力強さをたくさんの人達に伝える活動をしています。HPやイベント情報はこちらから。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。